Operating System

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クラウド

複数人で使うコンピューター

一台の計算機を複数人で同時に使うことを考えてみましょう。大きな机をみんなで囲んで、それぞれが自分の作業をする様子を思い浮かべてください。これが、多数利用者方式と呼ばれる仕組みです。一人一台の計算機を用意するよりも、費用を抑えられたり、限られた場所を有効に使えるなど、たくさんの利点があります。 たとえば、学校や会社など、大勢で計算機を使う場所では特に役に立ちます。どのように役に立つのかというと、まず、計算機の購入費用を減らせます。一人一台買うよりも、みんなで一台を共有する方が安く済みます。また、場所の節約にもなります。たくさんの計算機を置くスペースがなくても、一台で済むので、狭い場所でも使えます。 さらに、資料や情報をみんなで簡単に共有できることも大きな利点です。一台の計算機に資料を保存しておけば、誰でもすぐにアクセスして見ることができます。みんなで同じ情報を共有することで、仕事や勉強がスムーズに進みます。 このように、多数利用者方式は、みんなで一つの資源を共有することで、無駄をなくし、効率的な作業環境を実現することができるのです。みんなで使うための工夫もされています。例えば、それぞれの利用者には、自分の作業領域や保存場所が割り当てられます。これにより、他人の作業に干渉することなく、安心して作業を進めることができます。また、管理者によって利用者の権限を管理することで、重要な情報へのアクセス制限なども行えます。 多数利用者方式は、限られた資源を有効活用し、共同作業を円滑に進めるための、大変便利な仕組みと言えるでしょう。
インフラ

コンピューターの司令塔:基本ソフトの役割

基本ソフトとは、電子計算機という複雑な機械を、私たちが楽に使えるようにしてくれる、いわば司令塔の役割を果たすものです。電子計算機は、実はとても複雑な仕組みで動いています。たくさんの部品が連携し、膨大な量の計算を高速で行っているのです。もし、私たちが電子計算機を使うたびに、この複雑な仕組みを一つ一つ理解し、操作しなければいけないとしたら、とても大変です。 そこで登場するのが基本ソフトです。基本ソフトは、私たち人間が出す命令を、電子計算機が理解できる言葉に翻訳し、伝える役割を担っています。私たちは、画面上の絵記号をクリックしたり、文字を入力したりするだけで、電子計算機に指示を出すことができます。すると、基本ソフトがその指示を電子計算機の言葉に変換し、適切な部品に伝えます。このおかげで、私たちは電子計算機の複雑な内部構造を意識することなく、簡単に操作できるのです。 基本ソフトがない場合を想像してみてください。外国へ行った時、現地の言葉を全く知らずに、複雑な機械を操作しなければならない状況に似ています。機械の表示はすべて外国語で書かれていて、どのボタンを押せばいいのか、全く分かりません。途方に暮れてしまうでしょう。基本ソフトは、まさにこの言葉の壁をなくしてくれる通訳のような存在です。私たちが普段使っている言葉で指示を出せば、それを電子計算機が理解できるように翻訳してくれるので、誰でも簡単に電子計算機を使うことができるのです。 基本ソフトは、電子計算機の性能を最大限に引き出すためにも重要な役割を担っています。電子計算機の部品はそれぞれ異なる速度や機能を持っています。基本ソフトは、これらの部品を効率的に連携させることで、電子計算機の性能を最大限に発揮させ、スムーズに動作するように制御しています。まるでオーケストラの指揮者のように、それぞれの楽器をまとめ上げ、美しいハーモニーを奏でるように、基本ソフトは電子計算機の様々な部品を協調させて、複雑な処理を可能にしているのです。
開発

POSIX: 異なるシステムでも同じように動く

「ポシックス」という言葉を耳にしたことはありますか? これは、パソコンや大型計算機など、様々なコンピュータを動かすための基本となるソフトウェア、いわゆる操作体系(OS)において、非常に重要な役割を果たす標準的な規格です。 異なる種類の操作体系でも、同じようにプログラムが動くようにするための、いわば共通語のようなものだと考えてみてください。例えば、ある操作体系のために作ったプログラムが、他の操作体系でもそのまま、あるいは少し手を加えるだけで動くようになれば、開発の手間が大幅に省けます。ポシックスは、まさにそのような互換性を実現するために作られました。 様々な製造元のコンピュータや操作体系でも、同じようにプログラムが動くように、共通の約束事を定めたものなのです。この約束事には、ファイルの扱い方、画面への表示方法、ネットワークの利用方法など、プログラムの基本的な動作に関する様々な項目が含まれています。 ポシックスに準拠した操作体系であれば、プログラムの移植性が高まり、開発効率の向上に大きく貢献します。また、異なる操作体系上で動作するプログラム間の連携も容易になり、システム全体の柔軟性も向上します。 ポシックスは、情報技術の世界で広く普及しており、多くの操作体系で採用されています。そのため、プログラム開発者は、ポシックスを理解することで、様々な環境で動作するプログラムを効率的に開発することが可能になります。 ポシックスは、現代の情報化社会を支える重要な基盤技術の一つと言えるでしょう。