
映像の世界を支えるYUV色空間
- YUV色空間とはYUV色空間は、映像信号を扱うための表現方法の一つです。人間が色を認識する仕組みを巧みに利用することで、従来のRGB方式と比べて、より効率的に映像を表現できます。YUV方式では、映像信号を「輝度」と「色差」という二つの要素に分けて扱います。「輝度」は、映像の明るさを表す情報です。白黒テレビの信号も、この輝度情報のみを用いています。一方、「色差」は、その名の通り色の違いを表す情報です。YUV方式では、この色差情報を人間の目にはあまり目立たないように圧縮することで、データ量を大幅に削減しています。YUV方式は、特に白黒テレビからカラーテレビへの移行期に重要な役割を果たしました。白黒テレビは輝度情報のみを用いていましたが、YUV方式を採用することで、既存の白黒テレビと互換性を保ちながら、カラーテレビの信号も扱うことが可能になったのです。現在でも、YUV色空間は、テレビ放送やビデオカメラ、DVDなど、様々な映像機器や映像フォーマットで広く利用されています。これは、YUV方式が、人間の視覚特性に合わせた効率的な情報圧縮を実現しており、高画質とデータ量の削減を両立できるためです。